現在、スダルシャン・クリヤ呼吸法の現代医療科学による研究は、
欧米やインドなど、世界各国の大学や病院、研究機関でおこなわれており
学術専門誌や、Pub Med(※)などで審査・発表されています。
スダルシャン・クリヤ呼吸法は、
ストレスに有効であり、さまざまな臓器や器官系の働きを助け、
精神を落ち着けるなど、身体・精神システムの働きを高めることが
さまざまな研究結果として報告されています。
健康な人には健康を維持・増進していくテクニックとして、
また病気治療の補助療法として利用できることが示されています。
※Pub Med : NLM(米国国立医学図書館:National Library of Medicine)内の
NCBI(国立生物.科学情報センター:National Center for Biotechnology Information)作成のデータベース
各研究により、スダルシャン・クリヤとそれに併せて行なう呼吸法による以下の効果が明らかにされています。
- ストレスレベルの減少(ストレスホルモンとして知られるコルチゾールの減少)
- 免疫機能の向上
- 不安障害やうつ病(軽度、中度、および重度)の軽減
- 脳機能の向上(集中力の向上、平穏感の増進、ストレス刺激からの回復力向上)
- 健康、幸福度、平穏な精神状態の増進
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)症状の緩和
- 精神・身体機構における分子レベルでの働き
以下、スダルシャン・クリヤ呼吸法:SK、
スダルシャン・クリヤとそれに併せて行う呼吸法:SK&P
血中乳酸値(ストレスの指標)の低下
ストレス度が高いとされる警察訓練生を対象とし、
緊張やストレスの指標である血中乳酸を測定しました。スダルシャン・クリヤ呼吸法(SK&P)開始5ヵ月後の測定では実践者の血中乳酸は、非実践者の4分の1となり、呼吸法実践直後には、さらに低下しています。
SK&P呼吸法によりリラックスが促されているという結果が示されています。
免疫機能の向上
癌と戦う細胞として知られるNK細胞への効果を評価した研究では、スダルシャン・クリヤ呼吸法(SK&P)非実践の健康人や寛解期にある癌患者に比べ、実践者のNK細胞数が目立った高値を示しました(図A)。また、呼吸法非実践の癌患者と比べ、実践した癌患者にはNK細胞数の増加が見られました(図B)。
SK&P呼吸法により免疫機能を高めることができ、病を予防しうることを示しています。
脳機能の向上 ベータ波(覚醒レベルの指標)の活性化
スダルシャン・クリヤ呼吸法(SK&P)の脳機能への長期間にわたる効果を検討するために、実践者を対象としてSK&P呼吸法を実践しない状態のEEG (脳波)の変化を記録し、SK&P呼吸法をおこなわない医師や研究者(対照群)の脳波パターンと比較しました。
結果、SK&P実践者の左前頭部、後頭部、正中部には、著しいベータ波活性が見られました。神経学者によると、このような結果はSK&P呼吸法実践者の精神集中力・認識力が高いことを示しています。実践者のベータ波活性が、職務的にこのような能力を日々使っている医師や医療研究者よりも著しく高いという結果は特筆すべきことです。
うつ病の軽減
うつ病の治療にスダルシャン・クリヤ呼吸法(SK&P)は68%~73%の成功率を示しています。
ハミルトンうつ病評価尺度(HDRS)などを用いた調査結果では、数週間でうつ病の軽減が見られ、3ヶ月後には症状は安定しました。
また、SK&P呼吸法は患者の脳波パターンを正常にし、幸福ホルモンとして知られる血中プロラクチンを上昇させるという研究結果もでています。これはSK&Pが標準的な抗うつ薬療法に相当することを示しています。
SK&P呼吸法は副作用の心配がなく安全なことに加えて、費用対効果が高く、自分の力で実践していける手法と言えます。
詳しい研究要約はこちら
さらに詳しく知りたい方は
アートオブリビング財団の国際健康増進研究センター(IRHPC: International Research
and Health Promotion Center)が主要な研究結果をまとめています。
www.aolresearch.org (英語)